予想外の展開では京極夏彦に一票!ですが、もうひとつ、「えーそれはありなの?許されるの?!」という意味の展開で、ジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」なんて、どうでしょう。
SF作家のデビュー作でありながら、推理小説専門雑誌「EQMM」で書評が取り上げられたというので、当時、ちょっと話題になった本です。
「月面で発見された真紅の宇宙服の中の死体。生物学的特長はまぎれもなく人類だが、チャーリーと名づけられた彼は、五万年も前に死んでいた。彼はどこから来てどこへ行こうとしていたのか。そもそも、いったい何者か?」
ホーガンはハードSFのジャンルではトップクラスなので、この本の中でのまやかしやトリックは、いっさいありません。ここで語り残された「そんなことはあるの?」な部分は、続編の「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」へと続きますので、お気に召しましたら、ぜひそちらもどうぞ。続編はもう、ばりばりSFですが(^^;)でも「未来のふたつの顔」なんかより、ずっと読みやすいと…。
SF作家がミステリーも書いているというのは、わりとしっかりしていますよー。アイザック・アシモフは、SFとミステリーを融合させる時は、どんなことに気をつけなければいけないか、などもエッセイに書いています。
アシモフのロボット小説の古典中の古典、「鋼鉄都市」も、ミステリーとしては正統派だと思いますね。これも「はだかの太陽」「夜明けのロボット」と続きますので、興味がわいたら。ただし、断然面白いのは1作目ですかねえ。
エラリー・クイーンの「国名シリーズ」では、すべての手がかりが提示された時点で「読者への挑戦状」が入るので、読み応えというか、作者との知恵比べができますね。ちなみに、「オランダ靴の謎」を読んだ私は、自分が殺人犯には向かない資質を備えているということを、エラリーに教えてもらいました(笑)