森 博嗣さん。
「そして二人だけになった」
森さんの作品は、ミステリィとしても、もちろん、面白いのですが、
色々と考えさせてくれる言葉がいくつもあって、そこが詩的で素敵です。
「先生……、現実って何でしょう?」
「現実とは何か、と考える瞬間だけ、人間の思考に現れる幻想だ。
普段はそんなものは存在しない」
-「すべてがFになる」
「だいたい、役に立たないものの方が楽しいじゃないか。
音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。
最も役に立たないということが、数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。
人間だけが役に立たないことを考えるんですからね……。
そもそも、僕たちは何かの役に立っていますか?」
-「冷たい密室と博士たち」
人間が世界を支配している?
誰がそんなことを言ったのだろう?
もちろん、人間以外に言わない。
-「今はもうない」
「人の命なんて、大したものではない。
命をかけるものが、あるからこそ、人は生きているんです」
-「魔剣天翔」
飛べないことを
知らない連中が
飛んでいるのだよ
生きられない理由を
知らない連中が
生きているように
-「魔剣天翔」