献血を数百回やっていますので、腕の血管はよく知っています。
通常、ひじの内側には太い静脈が3本通っています。位置により「外側(がいそく)」「正中(せいちゅう)」「内側(ないそく)」と呼ばれます。片腕3本なので、両腕で6本になります。
人により太さや皮膚からの深さが違い、少ないですがすべての血管が深いところにあるために採血が難しいという方もいます。
私の場合、左の外側と正中、右の内側と正中が浅めなのでよく採血に使われます。その中でも、特に右の内側はよく浮き出すので、とても刺したくなるらしいのですが、内側の血管は柔らかい上に周囲の組織に余裕があるため「針から逃げやすい」そうです。
ある程度の経験を積んだ看護師なら確実に刺してくれますが、新人とかの場合は、とても刺しやすそうなので刺そうとして外してくれることがあります。
献血ルームだと、看護師の方々とは顔見知りなので「新人さんの練習のため」と(承諾を求められてから)やらせていますが、そこではずすと周囲の看護師がわらわらと集まって来て「はずした? ○○さんではずしたのね?」と言われたりして、本人は半分パニックになったりします(ちょっとかわいそうですが)。
ただ、いったん刺されば気持ちいいぐらい簡単に出ます。よく見かける真空採血管の場合、管の底に当たるほど勢いよく入って行きます。
一般には、一番安定して採血できるのが正中、刺しやすいが血管が細い人が多いので採血に時間がかかりがちなのが外側、だそうです。
なお、私の場合、右の正中が変わっていまして、ほぼ真横に走っています。初めて採血を担当する看護師は、指先で探る時に一瞬「あれ?」という表情をされますが「正中が横に走っています」と言うと納得してくれます。で、ここで採血する場合は、私も看護師も実に妙な体勢になります(笑)。
それと、数百回も献血をして、それだけ血管に繰り返し針を刺しているため、血管が少し堅くなっています。そのため、針を刺す時の抵抗が大きいらしいです。