SSLという「技術」は十分に信頼できる物だと思います。
別の方の回答で、「64桁とか128桁の暗証番号を入れないと解読できない…と言ったイメージ」と回答されていますが、このことは重要です。
実際に暗号化に使われている「鍵」データが、今は 128 bit というものが多くなっていますが、128 bit の鍵というのは、2 の 128 乗、つまり、340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456 通りの鍵が考えられます。
仮に、100 万通りの鍵を1秒でチェック出来るコンピュータがあったとします。閏年を考えないとして、このコンピュータで 128 bit のすべての鍵をチェックが完了するのは、約 1,079,028,307,080,601,419 年後、107 京 9028 兆年後になります。地球の寿命が約数十億年と言われていますから、いかに非現実的な数値なのかが分かるでしょう。「100 万通りを1秒でチェック」と仮定しましたが、これより 100 万倍早いコンピュータが出来ても、1 兆 790 億年かかるのです。
なので、この暗号を破る側に立つと、まともに全部の鍵をチェックする、ということはしません。暗号は純粋に数学の世界に入ってしまうので、数学的に問題が見つかるまでは安全と言えますが、そういった問題がいつ発見されるかは分かりません。幸い、今使われている暗号方式は、そういった専門の数学者がよってたかって調べて、問題が見つかっていないレベルのものなので、心配はありません。が、未来永劫に渡って大丈夫かどうかは、誰も分からない、というのが本当ところです。
というのが、技術的には SSL は安全、という話ですが、SSL は、あくまでも、通信経路の暗号化をしているだけです。電話でにたとえると、自分の電話機から相手の電話機までは、暗号化されているので、盗聴器が仕掛けられていも大丈夫、といっているに過ぎません。例えば、受話器にマイクがついた盗聴器をつけられていたら(パソコンの場合だと、ウィルスの類のソフトに感染していたら)、せっかくの暗号化も無意味になってしまいます。
実際の電話の場合でも、携帯電話の電波は暗号化されていて、電波を傍受しただけでは、盗聴することは出来ません。でも、「社会保険事務所のものですが...」などと言って、振り込め詐欺をはたらく人がいます。実際に被害にあっている人もいます。
基本は同じことで、相手のサーバとパソコンの間の通信内容は誰も分からないけど、相手サーバは詐欺師のサーバかもしれません。
SSL のもう一つの働きとして、相手のサーバ URL が、ブラウザがつなごうとした URL と合っているかどうかをチェックします。ですので、入力した URL に間違いないかぎり、全く別のサーバにつながっている、ということは起きません。
しかし、たまに、Web サーバ側の運用側にミスがあって、電子証明書と呼ばれるデータの有効期限が切れていたり、限定的なサービスで、でっち上げの電子証明書を使っていると、ブラウザが「どうも、怪しいんだけど」と注意を促す画面が表示されます。これが、純粋に相手側の単純なミスだったら、まぁ、先に進んでアクセスしても良いかぁ、となりますが、本物に似せた詐欺サイトにアクセスした場合にも、同様の表示があります。
まとめると、
・SSL での通信は、第3者からは通信内容は全く分からなくなる。
・でも SSL がやっているのはそれだけで、相手が信用できるかどうかは、全く別問題。
ということになります。「SSL って信用できますか?」と聞かれると、SSL という技術は十分に信用できるけど、通信している相手が信用できるかどうかは別の問題、ということになります。