一般的(ではない世界ですが…)には課程博士と論文博士の2種類があります。医学系は別ですが~課程はいわゆる大学4年(学士号)~修士or博士前期2年(修士号)~博士後期3年以上(博士号or学位)という取得順になります。大半は同一大学で博士まで研究を続け、それが評価?されることによって授与されます。やむを得ない場合を除き、
指導教官は変えない方がよいので(主査の教授をみつけるのもそれなりに大変なので…)、指導教官との付き合いは10年を程になります(もちろんその後も続きます)し、ある種の徒弟制や村社会が発生します。白い巨塔ほどではありませんが…。
研究のみならず、そうした村社会での貢献度、実績、手弁当具合等々も実際には評価の対象となります。村社会でのウケが悪ければ研究業績が立派でも出してもらえないこともありますし、その逆もあります。したがいまして、通例として教授からそろそろ学位を出すから(いわゆる村社会のモロモロの業績基準に達すると)博士論文をまとめなさいと言われて、書きます。そして約1年間(最終年度となります)かけて内部審査、主査・副査からの諮問、内部公聴会、公開発表会、教授会投票(最終審査)などを経て授与(課程博士)に至ります。平均取得年数は私の知る人文社会学系の中でも理工系に近い学界では博士後期課程で6年程度です。この間は原則毎年、授業料を納めます。年齢的には30歳前後で取得される人が多いです。というか、このあたりで課程がとれない場合は単位取得満期退学(後期課程に3年間いるとこのような肩書き?が付く)という形で論文博士を目指します。
普通に?学部を出て会社勤めをして30歳位だと1000万円以上の獲得賃金はあると思うのですが、大学院はお金を払って先の不透明な投資をし続けるようなもので、30歳くらいまでに1000万円程度は投資します。いればいるほど、この社会から出にくくなりますので(潰しがきかなくなるため…)、親のすねかじりや社会不適合者の烙印やレッテルをつねに意識しています。以前は、博士号取得=定職~教授への切符という道筋はある程度みられたものの、現在は道険しく、博士号取得→非常勤・非定職・不安定生計の方が多いです。
論文博士はいわゆる博士論文(またはそれに値するような物)を持ち込んで審査してもらい(審査料10~15万程)、審査に通れば学位が授与されます。それまでの学歴や年度区切り(4月から3月まで)とうの制約もあまりありません。もちろん、飛び込みの営業ではないので、持ち込むと言っても、それ以前に学界コネクションや主査となる教授からの指導は必要となります。それゆえ、それなりの年齢で知名度や実績もあり、名誉号的に授与される場合を除き、これからの人が論文博士になるには最低でも2年は必要です。1年目は主査との議論を深めたり、学界で発表や学術論文に投稿したりして知名度?上げ、2年目に書き上げます。先の単位取得満期退学の方々は、その後に実績を積み、それなりのコネクションを拡げ、実質1年というか1回の審査でパスされる方も多いです。
いろいろ書いて、まとまりのない内容で恐縮です。前提としては、○○試験があってそれに80点以上通ったら合格~学位取得という訳ではありません。先に指導教官(主査)から出してもらえるという状況になってはじめて取得できるというのが実情です。それゆえ、時間、期間としては映画の世界ではありませんが構想(実績作り)○年、制作1年となるのでしょうか?余談ですが~私は構想8年(約2.5年のブランク有り)、制作1.5年でした。
その他、課程と論文の違いとしては学界内の評価?とでもいいましょうか?履歴書や業績所に、課程の場合「博士課程修了」と記せます。だからなんだ?と思われることと思いますが、博士後期課程のうちに学界的村社会のルールや常識を踏まえ、かつそれなりの研究業績もこなしたのね…となり論文博士よりも一段上に見られることが多いです。それは後の職や収入にも関係してきます。その他、書ききれないことも多々ありますが、ざっくりとご参考まで。