テレビ関係者ですが、ご説明いたしましょう。
一番の理由は、最近テレビで大きなヒット作が無いことです。超高視聴率をとるような番組があまり現れないので、局の編成としては「視聴率の読めるバラエティ」企画をゴールデンに持ってくるのが一番無難なのです。
ドラマは一回編成してしまうと、当たればいいですが外れれば全く手直しは効きません。1クールずっと低視聴率のまま我慢するか、打ち切るかしかありません。その点、バラエティなら速攻で手直しが効きますから、安全です。しかも、バラエティは制作費が安価にすみますから、予算の厳しい現状では非常に選択しやすい選択肢です。
そこで、最近では「深夜でタレント・作家・ディレクターなどのチームとフォーマットを育成して、それをゴールデンに格上げする」のが、ひとつの既成路線になっているのは確かです。その方が、さまざまな分析やデータを積み重ねた上で勝負できますから。
「深夜とゴールデンでは視聴者が違う」というのは、素人の皆さんでも気づいているくらいですから、当然テレビ局でもそんなことは分っています。それでも、実績として評価されるものがある「カタチ」を作っておいたほうが確実だというのが現在の局の編成の考えです。
あと、これはあまり局としては声高には言いませんが、現在ゴールデンにテレビを見ている人は、正直言ってお年寄りと子供など、あまり広告効果の高くない「それほど重要ではない視聴者」の比率が驚くほど高まっています。面白いバラエティを面白がれる、感性の豊かな若年層はゴールデンタイムに地上波など見ていません。
こんな中、何とか若年層に地上波テレビに戻ってきてほしいというチャレンジと、他の層(とくにお年寄りなど)相手の「新ビジネスモデル」を今のうちに構築しておきたいというテレビ局の試行錯誤も背景にあります。「携帯サイトとの連動」などで「地上波以外で稼げる方法を見つけておきたい」のもあるのです。
このため、深夜のバラエティを格上げして、様々な研究に力を入れているわけです。
不況の間は何とかクイズ番組で乗り切って、その間に
たとえ多少面白くなくて視聴率が低くても、次の「鉱脈」と「ビジネスモデル」を探さなければ、地上波テレビは昔のラジオのように時代遅れのメディアになってしまうと危機感をもtっているわけです。