「富士山の何のために」協力金を徴収するか、よく分からないのである。
「富士山はゴミだらけ」とPRして、金も人も集めた。
対象が富士山だからこそ、金も人も集まりやすかったとも言える。
だからと言って、富士山のゴミ問題は、他よりも多いことはないと感じている。
富士山のゴミだけに費用を使い対処しても、他の所をスルーしていては、富士山のゴミも、なくなることはないのだ。
富士山は、若い火山で、今後も噴火するし、火山だからこそ崩れやすい。
氷河期が終わってから生まれた高山であるので、氷河期由来である高山植物は、残念ながら自生していないし、ライチョウも生息していない。
つまり、それほどデリケートで微妙な環境だとも思えないのだ。
「雄大で大胆な自然環境」というのが私の富士山の印象だ。
植物前線が速いスピードで上昇していたり、永久凍土が融けたりするのは、温暖化のせいであって、個別富士山で費用を徴収し、解決できる問題ではない。
よって、私は、富士山の場合、登山者が登山ルートを外さない、ゴミはすべて持ち帰る等の登山ルールを守れば、環境の保護保全は、充分可能だと思っている。
ゴミはすべて持ち帰るとしても、糞尿まで持ち帰るのは実際大変である。
この点については、バイオトイレ、糞尿焼却トイレの整備で、ほぼ完璧に対処が終わった。
必要なトイレ管理費は、トイレ使用料として、すでに徴収されている。
登山道は、5mぐらいの幅の所もあれば、1mぐらいの狭い所もある。
登山者が多くなれば、狭いところで直ぐに渋滞するし、登山道からはみ出てしまうこともある。
危険であるし、不必要に環境を壊す可能性もある。
なら、登山道を広くし整備すれば良いということになるが、国立公園で特別保護地区に指定されていては、工事をすることは、容易ではない。
これに対処するなら、登山者の数の制限をすることが必要であって、登山料金の徴収の話ではない。
登山道としてみれば、富士山の登山道は、スコリアで登り辛いし、滑りやすく、とても安全だとは言えない。
日本一の山からの眺望は素晴らしい。
多くの人に、富士山とその登頂の感動体験をしていただきたいとも思う。
それには、誰でもが安全に登れるよう登山道の整備が、必要である。
富士山登山道は、県道である。
県道整備のために通行料として有料化することは、ある。
国立公園法の適応を、変更しても、登山者の安全を確保すべきで、そのための工事は必要だと考える。
よって、安全確保のため、登山道整備に必要な費用を静岡と山梨の県が徴収するなら、私は、納得する。
登山者数が多く安全確保ができないということなら、登山者数の制限をする制度も併用するべきだと思う。
先に、協力金を、とにかく徴収することは、私は、納得できない。
===補足===
富士山のゴミの点数で多かったのは、私の経験では、タバコの吸い殻であった。
同じ銘柄の吸い殻が、同じような間隔で、捨ててあるので、休憩の度に、ポイ捨てを重ねたと思われる。
キャンディの包み紙も、同様だった。
ルール違反は、みんなではなく、特定の個人が行っていると思う。
このようなルール違反者は、そこが富士山だから、あえて行うのではなく、普段の暮らしでも同じように、やっているはず。
普段の暮らしぶりを、そのまま富士山にも持ち込んでいるのだ。
つまり、学校教育や普段の暮らしの中でのルール、マナーに対する教育と、違反者の指導、取り締まりこそ、大切で効果的になる。
登山者数が多過ぎて、危険となり、ルールー違反も起きやすい時期は、マイカー規制と並行して、やはり、入山者数の制限規制を行なうべきだ。
また、「環境保護」さんのような方を、例えば、ボランティアの「富士山愛護隊」の隊員に任命し、マナー違反者を指導する体制を作ることも、ぜひ、お薦めする。
現在の登山指導は、公的組織からボランティア組織まで、いろいろな方々が行っている。
富士山は、ひとつのはずなのに、実際は、それらの間に目に見えない、いろいろな境界が存在していて、活動がバラバラに行われている。
活動範囲が限定されていたり、指導内容が統一されていなかったり、ボランティア活動でも活動エリアの指定と活動日数がノルマ化されていたり、ボランティアもいれば、賃金受給者も、国があれが静岡県と山梨県、市町村、それに組合別もある。
とにかくバラバラで、全く効率的ではないのである。
先ずは、富士山の環境保護保全にのための統一的指導組織とその活動に参加する全世界的ボランティアの組織「富士山愛護隊」の設立を、提案したい。