ふと思いついたので。
「惑星ソラリス」-アンドレイ・タルコフスキー監督
ほとんどが海で覆われた未知の惑星、ソラリス。
この星は、訪れた人間の意識を読み取り、強く心に残る存在を実体化させる。
主人公クリスの前に現れた人物、それは、彼との喧嘩がもとで自殺した妻、ハリーだった。
ハリーの姿は、クリスを自責の念へと駆り立て、苦しめる。
ハリーの姿をした女は、自分がハリーではない事を知りながら、クリスの心にあった、
ハリーがクリスを愛した記憶を、想いを、持っている。
自分はクリスを愛している。
しかし、それはイミテーションに過ぎない。
クリスを愛している。
しかし、自分の存在は苦しみしか生まない。
やがて、ハリーの姿をした女は、自殺を図る。
しかし、彼女は死ぬ事が出来ない。
クリスの心にハリーがいる限り。
二人の苦悩と想いが、とにかく切なくて、強く胸を締めつけます。