基本的にビデオの録画・再生の互換性は標準モードでの利用が前提ですので、他のデッキや、同じデッキでの互換性は保証されてないようです。
同じデッキというのは、デッキの経年変化でテープ走行メカニズムやヘッドの状態が変化したこととかです。
オーディオカセットは、テープの走行速度が遅くなったら音声が低く聞こえますし、走行速度が速くなったら高音気味に聞こえます。ヘッドの位置が動くとこもって聞こえるようになります。ビデオデッキの場合も走行速度が経年変化で変わってきたり、テープのローディング状態が変わってくると再生に異常が出てきて再生に障害が出てくる状態になりますが、テープに記録されているトラッキング信号を読み出してある程度は修正をすることができます。ただ、それが限度を越すと修正が出来なくなってしまいます。
もし、そのデッキで今録画したものを再生してそれで再生不良が出るとしたら、ヘッドまたは走行メカニズムの不具合です。今録画したものがちゃんと再生できるようでしたら、経年変化や部品などの寿命によって互換性が損なわれて来ていると言えます。
有償修理になりますが、メーカーで「互換調整」という作業をして、以前のテープがちゃんと見えるようにすることができます。ただそれをすると数年前のテープに合ってしまいますから、つい最近録画したテープの再生で不具合が生じる恐れもあります。
標準モードは、他社のビデオや、古いデッキや新しいデッキでも再生できるように設計されたモードですから、割合ちゃんと再生できるのですが、3倍モードはなかなかそれができないのは仕方が無い部分があります。
互換調整は、見たいテープを添付してメーカーに出したら、そのテープを再生しながらトリマ調整してできるだけちゃんと見えるようにしてくれます。ただ、最近はそういう技術者がいないメーカーもありますので、難しいかも知れません。町の電気屋さんは割合平気でやってくれたりもしますが、そういう電気屋さんがあればラッキーですね。
今まであまり使ってなかったビデオデッキでしたら、しばらくは一生懸命使ってみているとちょっとはどうにかなる場合もあります。また、ずっと保管していたビデオテープはテープの巻き乱れなどで回転負荷が大きい場合がありますから、一度巻きなおしてみたら軽くなることがあります。FFで全部走行させてREWで巻き戻してということだけです。ここで注意しないといけないのが、止まるまでテープを送ったらリーダーテープのところや、ハブに取り付けている部分でテープが切れる恐れがあります。古いテープの場合、かなり弱くなってますので、数分前の部分で止めてからもう一度テープを送った方が安全です。もしテープを切ってしまって、復活方法が分からない場合はまたご質問ください。
3倍モードで使用する場合、テープの全長を使うことがなく、あちこちで細かく使ってしまうので、巻き乱れが起きていることがありますので、こういう作業で改善することもあったりします。
保管される場合は、テープを横にして積んでおくと、内部のバネが弱って走行不良になります。テープは立てて保管したほうが無難です。
★ここからは余談です。
テープにノイズが入ったり再生不良になるようなのは以下のようなケースです。
・テープが傷んでいる。
しわになった部分は当然見づらいですが、テープの端にトラッキング信号を入れる部分がありますが、そこがデッキの走行部で折り目が入ってしまったりします。テープのカセットのフタを開けてみて、端っこにずーーっと折り目が付いていたら、そのテープは普通に再生することはできないと思います。(レンタルビデオに多いです)また、問題ないテープを入れたら同じように折り目をつけてしまうことがありますので、修理が必要です。幅の広いテープをゴムローラーではさみながら走行させるので、いびつになっている部分や、上部・下部で引っ張られる力が違ってきてしまうとそういう状態になってしまいます。
・ヘッドの目詰まり
ホコリや磁性体の剥がれ(黒い色)やカビ(たいがいは白い)がヘッドに目詰まりを起こします。全く見えなくなったら2個のヘッドの両方に、一時停止したりピクチャーサーチをしてどうにか見えるようならヘッドの片方にホコリなどがついています。クリーニングテープは湿式と乾式がありますが、磁性体がこびり付いているものには乾式を使います。(あまり使うとヘッドを擦りすぎて消耗するので注意が必要です)
カビているテープは他のテープにも影響を及ぼしますので、お使いにならないほうが良いかと思います。
・互換性のずれ
文字だけで説明するのは難しいですが、道路を走っている車で喩えるとこんな感じです。広い道路(標準モード)を車で走っているときに多少、よろよろしても路肩からはみ出すことは少ないですが、狭い道路を走っていると、何かの拍子で路肩をガタガタガタって走ってしまうことがあります。本来ちゃんと映像トラック(道路と思ってね)をヘッド(車と思ってください)がトレーシング(なぞる)して映像を再生しないといけないのですが、3倍モードは、標準モードよりもトラック幅が狭くて、そこにピタッとヘッドをトレースさせるのはかなりの厳しい条件が必要です。
もし、狭い道路を走るときに右ハンドル車から左ハンドル車に乗り換えたとしたら、どう自分で頭の中で修正しようとしても、いつもと違う雰囲気になって、路肩を走ってしまうことが多くなりますよね。更に道路がクネクネしてたら、あっちでガタガタ、こっちでガタガタってなってしまいますよね。それが起きているのが、互換性の無いビデオの再生です。一言で言うと「ズレてしまってる」ってことなのです。
・テープの磁気に異常が出ている。
長い間放置していたりすると、周辺にある金属やトランス、高周波、磁石の影響で磁気に異常が出てくることがあります。その場合は、周期的(数秒)に画像が乱れます。
もし、新しいデッキを購入される場合は、メーカーによって調整可能範囲が違っていたりしますので、見たいテープを持って行って再生テストさせてもらったらよいかと思います。新しいからと言って必ず期待する結果にはならない場合もあります。また、コンボタイプ(DVDとカセットが合体しているもの)のビデオデッキは殆どがフナイ製のはずですから、どれも同じような結果になってしまいます。
長いばかりで、はっきりしたアドバイスじゃなくて、すみません。